Warning: "continue" targeting switch is equivalent to "break". Did you mean to use "continue 2"? in /home/sutekiwaza/motto-e.com/public_html/drug/wp-content/plugins/jetpack/_inc/lib/class.media-summary.php on line 77

Warning: "continue" targeting switch is equivalent to "break". Did you mean to use "continue 2"? in /home/sutekiwaza/motto-e.com/public_html/drug/wp-content/plugins/jetpack/_inc/lib/class.media-summary.php on line 87
ドラッグストア探訪 - 商品の探し方・選び方の参考に

ドラッグストアにあるドーピング禁止薬物に注意

トップアスリートが日常生活で注意している事の一つがドーピング禁止薬物だと思います。故意に使ったわけではないのにドーピング検査で陽性が出てしまったためにせっかく積み上げてきた努力が水の泡なんてことは、本人はもちろん、サポートしてきた周囲の人たち、そして競技の観戦を楽しみにしている私たちにとっても不幸以外の何物でもありません。

そんなドーピングがらみのニュースで「市販の風邪薬を飲んでしまったから…」のようなコメントを聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回は市販薬の中でドーピングに注意しなくてはならないものと、その成分の働きについて書いてみたいと思います。

 

ドラッグストアにある禁止薬物

私の勤める店舗に取り扱いのない物もありますが、市販薬など注意したいのは次のものです。

  • 風邪薬
  • 咳止め
  • 鼻炎薬
  • 胃腸薬
  • 漢方薬
  • 栄養剤
  • サプリメント

これらには共通する成分が入っていたり、その成分の原料が配合されていたりすることで要注意となるわけです。

 

しかしこれだとアスリートは全然薬のめないじゃんってことになってしまうので、より詳しく成分名でみていきます。

  • エフェドリンを含むもの
  • 生薬:麻黄(エフェドリンの原料)を含むもの
  • 生薬:ホミカを含むもの
  • 生薬:カイクジンを含むもの
  • 生薬:ジャコウを含むもの
  • 生薬:ハンゲを含むもの
  • 生薬:ロクジョウを含むもの

などなど。

エフェドリンは「○○エフェドリン」として総合の風邪薬系にはほとんど配合されています。咳止め用に「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」として、鼻づまり解消のための「プソイドエフェドリン塩酸塩」として。そして漢方薬には幅広く「麻黄」として配合されています。これはエフェドリンの原料ですので禁止薬物となります。

一方で「ホミカ」を含む市販薬は限られています。生薬のホミカにストリキニーネという禁止薬物が含まれているとの事ですが、店頭ではほとんど見たことがない成分です。

「カイクジン」と「ジャコウ」は生薬に少し詳しい人なら知っているかも知れませんが、前者は雄オットセイの睾丸を乾燥させたもの、後者はジャコウ鹿の雄のヘソと生殖器の中間にある包皮腺を乾燥させたものです。どちらも雄のホルモンを有し強壮成分として配合されています。

ハンゲ(半夏)はサトイモ科の植物ですがエフェドリンを含むとされています。

ロクジョウ(鹿茸)は雄の鹿からとれる生薬です。雄です。禁止理由は男性ホルモンなんでしょうね。

ドーピング禁止薬物の働き

ここまでで見てきた薬物を働きとして簡単にまとめると

  • 交感神経を刺激して集中力や俊敏性を高める成分
  • 男性ホルモン様の作用から運動能力や筋力増強を促す成分

の二つにわけることができます。

エフェドリンは覚醒剤のメタンフェタミンという薬物と分子構造がとても良く似ています。エフェドリンはメタンフェタミンのような強い覚醒作用はありませんが、それでも中枢神経・交感神経系を刺激し働きを強める作用があります。市販の風邪薬に配合されるdl-メチルエフェドリン塩酸塩は、それをさらにマイルドにしたものですが、配合されている目的は交感神経系への賦活作用ですのでそこが問題になってしまうわけです。

交感神経の働をここで説明すると少しなど難しい話になりますので、それについては別の機会に書いてみたいと思います。

さて、次に男性ホルモン様物質についてです。陸上競技などでしばしば見られるのが筋肉増強作用を示すステロイドを故意に使用した違反です。男性ホルモンとして有名なテストステロンがありますが、これを真似て合成したのがアナボリックステロイドで、このステロイドはタンパク質同化男性ステロイドとも呼ばれ男性的な強い筋肉(タンパク質)を作っていくことを期待し使われます。これらアナボリックステロイドはドラッグストアにあるものではありませんが、ドラッグストアでは生薬としてカイクジン・ジャコウ・ロクジョウが配合されているものもは多々あり男性ホルモンが含まれるため類するものとして禁止薬物にあげられているのでしょう。

禁止薬物のステロイドと皮膚薬のステロイドは違う

ステロイドという単語、ちなみにドラッグストアでは頻繁に使うワードなのですが、実はドーピングで話題となるステロイドとドラッグストアで皮膚薬にしばしば配合されているステロイドは別物です。

ドーピングに使われるステロイドは男性ホルモン(性腺ホルモン)の構造をもとに合成された薬ですが、皮膚薬のステロイドは副腎という臓器で作られる副腎皮質ホルモンのことです。副腎皮質ホルモンは抗炎症や免疫抑制作用をもった薬で目的も働きも全然違うものですので誤解のないようにしてください。基本的に市販薬の外用薬で用いられる糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン=ステロイド)を局所的に使う場合はドーピング対象にならないようですが、例外もあり一部の痔の薬(座薬・注入軟膏)は肛門から体内に入れるため不可のようです。

その他ドーピング違反の対象となる成分の確認方法

ドーピング禁止薬物は毎年改定されます。改定薬物のリストはJADA(公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構)にて最新のものが確認できます。禁止薬物の数は膨大にあり全ての医師や薬剤師がドーピング薬物に精通しているわけではありません。そこでJADA(公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構)は正確で最新の情報を持ちJADAの講習を受けた薬剤師に「スポーツファーマシスト」という資格を付与し、今日のアンチ・ドーピングのニーズにこたえられる体制を用意しています。スポーツファーマシストは薬局で働いていたり講師をしていたり身近なところにもいると思われます。JADAスポーツファーマシスト検索ページから所在を確認できますので専門的な指導が必要な方は調べてみると良いでしょう。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク